「歯医者は、
虫歯になったときに行くところ」
このように考えている人も多いのではないでしょうか。しかし実は歯医者は、「虫歯になる前にも行った方がいい場所」なのです。
その理由を解説するために欠かすことのできないキーワードが、「予防歯科」です。
このように考えている人も多いのではないでしょうか。しかし実は歯医者は、「虫歯になる前にも行った方がいい場所」なのです。
その理由を解説するために欠かすことのできないキーワードが、「予防歯科」です。
予防歯科とは、ごく簡単に言うと、「虫歯(などに代表される口腔内のトラブル)を事前に防止するための対策及びそれを行うこと」をいいます。
虫歯に「なった後」ではなく、虫歯に「なる前」に着目して、そもそも虫歯にならないようにするための方法だといえます。
海外ではこの予防歯科の考え方が非常に発達しています。特に北欧の国々では、「歯のトラブルを事前に防ぐこと」を目的として、定期的に歯医者に通う人が非常に多いといわれています。
なお北欧の国のうちのひとつスウェーデンは世界でもっとも歯科の考え方が発達した国のうちのひとつです。特に、この国の大学で活躍していたペール・アクセルソン博士は歯科の世界において非常に重要な功績を残しています。彼は要望歯科の父とも評される人物であり、エビデンス(=医学的根拠)に基づき予防歯科の重要性を提唱した人物です。
彼はすでに亡くなっていますが、彼の元で働いていたブリギッタ・ニーストレン女史は日本にもたびたび来日し、博士の理念を日本の歯科学会に伝えています。また、スウェーデンは、今でも19歳までの人は無料で歯医者に通うことができます。
スウェーデンとはまた異なる制度を持つがゆえに日本よりも予防歯科の概念が発達した国として、「アメリカ」があります。
ご存じの人も多いかと思われますが、アメリカは日本とは異なり、国民皆保険の考え方をとっていません。そのため、任意の保険に入っていない人が一度虫歯などになってしまうと、多額の治療費がかかってしまうのです。
このような多額の治療費の支払いを避けるために、「事前にリスクを軽減しよう」として予防歯科の概念が広く知れ渡ることになりました。
予防歯科の元にしっかりと歯をケアして虫歯を予防することで、人は年齢を重ねてからでも自分の歯を維持できるようになります。
それでは、そのように非常に有用な予防歯科では、どのような施術が行われているのでしょうか。
歯についている歯石や歯垢(プラーク)は虫歯を招き、また虫歯を悪化させる原因となるものです。
そのため、予防歯科ではこの歯石や歯垢(プラーク)を取るための「クリーニング」を行っています。
PMTCとは、“Professional Mechanical Tooth Cleaning”の略称です。これは、歯をクリーニングするための専用の機械と、歯を強くすることができるフッ化物を配合した研磨剤を使って、歯についた歯石や歯垢(プラーク)を落としていくことをいいます。
歯石は非常に硬いものであるため、ホームケアでは取ることができません。そのため、PMTCで用いる機材などを利用して、これを落としていく必要があります。
PMTCでは、この歯石・歯垢(プラーク)を落としたのち、歯の表面を清掃していきます。なおこのときには、さまざまな形状のブラシを使って磨き上げていき、最後に薬剤や水を使って研磨剤を使って仕上げます。
なおこのPMTCは、上で取り上げたペール・アクセルン博士の生み出した概念と技術です。
スケーリングとは、歯石や歯垢(プラーク)の除去を目的としたものです。
超音波を用いた機材を使って歯石を落としたり、歯科医師などが人力で歯石を掃除していったりします。虫歯予防はもちろん、口臭予防としても非常に有用です。
かつては、「虫歯は治らない」とされていました。しかし現在は、非常に軽い虫歯ならホームケアで「治す」ことができます。
もっとも、この「非常に軽い虫歯」の場合は自覚症状がないため、自分1人で虫歯になっていると気づくことはできません。その結果、治せる段階を過ぎてから初めて歯医者に通う人の方が多いといえます。
しかし定期的に検査することで、この「治せる段階の虫歯」を発見できるようになります。またほかの口腔トラブルの予兆も、この定期検査で発見することができます。
予防歯科で行われる定期検査は、「健康診断」と似たような性質を持っているわけです。
現在はほとんどの人が「毎日、2回以上歯を磨く生活」を送っています。まただれもが一度は「正しいブラッシングの方法」を見ているはずです。
ただ、実際に「正しいブラッシング」を毎日実践できているかどうかは自信が持てない……という人も多いのではないのでしょうか。「きちんと知識はあるはずだけれど、自己流になっていそうだ」「ちゃんと歯磨きをしているつもりだが、虫歯になったことがある」などのように悩む人もいるかもしれません。
そんな人に特に有用なのが、「ブラッシング指導」です。
予防歯科では、実際に歯ブラシを使い、正しいブラッシングの指導をしていきます。小さいお子さんはもちろん、成人済みの人でも自分のブラッシングの方法を見直す機会となるため、虫歯予防に非常に効果的です。
クリーニングや検査はもちろん大切ですが、やはり口腔内の健康を維持する基本は「ホームケア・ブラッシング」だからです。
虫歯になってから歯医者に足を運んで治療していくことも、決して悪いことではありません。放置しておくことよりはずっと良いので、痛みが出たのならばできるだけ早い段階で歯医者の門を叩くようにしてください。
しかし「痛みが出る前に」「状況が悪化する前に」、「予防歯科」もまた、非常に重要なものだといえるでしょう。
予防歯科に通うことでで、事前に予兆をキャッチして対応していけるようになりますし、定期的に検査することで「またきちんとホームケアをしていこう」という気持ちを新たに持つこともできるようになるからです。
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